米Gartnerはこのほど、「先進テクノロジーのハイプ・サイクル」の2020年版を発表した。組み込み型AIやSASE(Secure Access Service Edge)、ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジーなどが「過度な期待」のピーク期にあり、説明可能なAI、個人所有アイデンティティの業務利用などは「幻滅期」に入っている。
ハイプ・サイクルは、実用化の可能性や市場の期待、企業の採用状況などを基に、新しいテクノロジーの評価や普及時期を図示したもの。「過度な期待」がふくらむ時期や、それが急速にしぼむ「幻滅期」などの段階を経て、市場に普及していく様子を示している。
2020年版でGartnerが着目した先進テクノロジートレンドは、(1)デジタルミー(デジタルと人との統合)、(2)コンポジット・アーキテクチャ、(3)フォーマティブAI、(4)アルゴリズムによる信頼、(5)シリコンの先へ──の5つだった。これらは今後5〜10年にわたって「高い競争優位性をもたらす可能性がある」としている。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジーとヘルス・パスポートの2つのテクノロジーがハイプ・サイクルに初登場。中でもソーシャル・ディスタンシング・テクノロジーは、最初から「過度な期待」のピークに達しているとみる。同社によると、同様の例は過去にほとんどないという。
一方、ヘルス・パスポートは市場への浸透度はまだ低いものの、中国やインドの公共交通機関を利用するために必須なことから、すでに数億人単位で利用されているという。いずれのテクノロジーも「2年未満で生産性の安定期に達する」とGartnerは見込んでいる。
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