Search

コロナ禍で自転車ブーム再燃! BROTURES 福井雄大が語る、サイクルカルチャーの可能性──愛しのペダルライフ 第1回 - GQ JAPAN

都市生活者を魅了し続ける、120年規格の変わらない乗り物

2000年代半ば、“ピストバイク”と呼ばれる自転車が日本のストリートカルチャーを席巻した。NYやサンフランシスコのメッセンジャーにルーツを持つこの自転車は、競輪選手などが乗る競技用自転車(固定ギアを搭載し、ブレーキを搭載しないもの)をベースとしたカスタムバイクで、そのスタイリッシュなフォルムと斬新な乗り心地が多くの若者を魅了し、またたく間に地位を確立。海外のメッセンジャー&ストリートカルチャーを伝える架け橋として、日本国内のファッションシーンにも多くの影響を及ぼした。

それから10余年、30〜40代の男性を中心にピストバイクが再び熱を帯びはじめている。

「オープンから10年以上経ちますが、2019年から2020年にかけて、再び需要が大きく伸びているように感じます」

BROTURESの福井雄大氏

そう話すのは、原宿にあるピストバイク専門店・BROTURESの福井雄大氏。太く力強いフォルムのダウンチューブが特徴のサイクルブランド「LEADER」や、バルセロナ発「DOSNOVENTA」の旗艦店の代表であり、長年日本のピストバイクブームを牽引してきたキーマンでもある。コロナ禍の東京において、なぜピストバイクが再び注目されているのか。福井氏は次のように話す。

「海外からの観光客も減少傾向にある昨今、多くの人たちにとって、結果的に東京という街を、そして自身のライフスタイルを見つめ直す機会にもなっています。ひとりで過ごす時間も増えた今だからこそ、あらためて本格的に自転車に乗りはじめようという方も増えているのではないでしょうか。また、お客様のなかには、以前乗っていたピストバイクやフレームをリフレッシュして楽しむ方も多く、“もう一度自分の自転車に乗ってみよう”という想いも感じられます。それが結果的に、ピストバイクの再ブームへと繋がっているんだと思います」

BROTURES HARAJUKU店内

満員電車とは無縁。優秀なアーバン・モバイル・ツールであると同時に、休日に身体を動かすためのスポーツギアであり、自身のモチベーションを高めてくれる相棒でもあるピストバイク。福井氏は「ダイヤモンドフレームに700cサイズのタイヤを備え、チェーン駆動で固定ギアを回転させて進む。これって、チェーンを使った自転車が誕生してから120年くらい規格が変わらないんですよね。22世紀になっても、きっと乗られているでしょう」、そう続けた。

福井氏が自転車に乗るさいに愛用中の「LEADER × MAKAVELIC」のバックパック。前面のメッシュ内にヘルメットやウェアが収納できる。

「自転車が主役の生活なので、やはり手軽なのがいちばん。でも機能に偏りすぎるのではなく、ちゃんとデザインにもこだわったアイテムの方が楽しいですよね。ショップで扱うアイテムも、そうした観点でチョイスしています」という福井氏が、取材当日に持っていた私物一式。左上から時計回りで、13incノートPC、リフレクター素材を多用した「BROTURES × Captains Helm」のアウター、「Beats」のBluetoothイヤホン、カラダに塗って使うCBDオイルとタブレット、「LEADER × Hydro Flask」のボトル、雨が降ったときにサドルに装着する「ASS SAVERS」の泥除け。

ピストバイク界のキーマンがe-bikeに熱い視線を注ぐ理由

ピストバイクの持つポテンシャルの高さについては前述の通りだが、自転車に対する考え方や付き合い方は歳を重ねるごとに変わってきたと、福井氏は話す。

「年齢とともに自転車に求める条件も変化してきました。今は快適さと、どれだけ走行距離を稼げるか。もちろんピストバイクのように、スタイル先行の削ぎ落とされた雰囲気の自転車も大好きですが、ライフスタイルに合わせてもっとラフに乗れる方が、これから乗り始める方にとっても付き合いやすいのかなって。何より、お客様に充実したサイクルライフを楽しんでいただくために、“いかに乗る回数を増やせるか”も外せないポイントですから」

そこから福井氏が導き出した答えが「e-bike」だ。

「e-bike」とは、主にスポーツサイクルに対して電動のドライブユニットを搭載したモデルの総称。約30年前に日本のヤマハが開発した「電動アシスト自転車」と同じく、ペダルを漕ぐチカラを電力で補助する機能を備えているが、よりスポーティーな走りに特化したモデルが一般的にe-bikeと呼ばれ、現在欧米の自転車メーカーを中心に多くのモデルが発売されている。

「2021年にはEU諸国で厳しい排ガス規制が本格導入され、日本政府も2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロの方針を示すなど、世界規模の地球温暖化対策が目下進行しています。そうしたなかであらためて自転車の有用性が認められている訳ですが、なかでもe-bikeは日本の自転車業界においても、ここ数年注目を集めていたキーワードでした」

実際のところ、世界一の自転車大国オランダでは2018年にe-bikeの新車販売台数が一般の自転車をはじめて上回り、ドイツやスペインでもその数はうなぎのぼり。日本国内での販売台数も右肩上がりで、「ビジネス的な観点でもそうですが、e-bikeは私たちの生活はもとより、世界のインフラを変えてしまうほどの可能性をはらんでいると思います」とも。

ピストバイク専門店のオーナーがe-bikeに熱を上げるのは意外かもしれないが、そこに大きな可能性を見出すキッカケとなった自転車こそが、デンマーク生まれの「MATE.bike」だ。

【次回につづく】

BROTURES HARAJUKU
東京都渋谷区神宮前4-26-31
TEL 03-6804-3115
https://brotures.com/

取材と文・中澤範龍(EditReal) 写真・鈴木竜一朗

Let's block ads! (Why?)



"サイクル" - Google ニュース
November 25, 2020 at 09:53AM
https://ift.tt/3m68lB3

コロナ禍で自転車ブーム再燃! BROTURES 福井雄大が語る、サイクルカルチャーの可能性──愛しのペダルライフ 第1回 - GQ JAPAN
"サイクル" - Google ニュース
https://ift.tt/2CCNGzt
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "コロナ禍で自転車ブーム再燃! BROTURES 福井雄大が語る、サイクルカルチャーの可能性──愛しのペダルライフ 第1回 - GQ JAPAN"

Post a Comment

Powered by Blogger.