Microsoftは10月1日(現地時間)に、低価格クラムシェルノート「Surface Laptop Go」を発表した。
最廉価なモデルは549ドルから提供される計画で、米国では本日より予約が開始される。小売店などでの販売は10月13日が予定されている(いずれも米国時間)。日本法人の日本マイクロソフトによれば、日本での販売予定もあるという。
4コアのCore i5-1035G1を採用
今回発表されたSurface Laptop Goを一言で表現するなら「廉価版Surface Laptop」だろう。上位製品となる「Surface Laptop 3 13.5型」、「Surface Laptop 3 15型」、さらには同じ「Go」のブランドを冠したタブレット製品となる「Surface Go 2」の一般消費者向けモデルを比較したのが以下の表となる。
Surface Laptop Go | Surface Laptop 13.5型 | Surface Laptop 15型 | Surface Go 2(参考) | |
---|---|---|---|---|
CPU | Core i5-1035G1(4コア/8スレッド) | Core i7-1065G7/1035G7(4コア/8スレッド) | Ryzen 5 3580U(4コア/8スレッド) | Core m3-8100Y/Pentium Gold-4425Y(2コア) |
GPU | Intel UHD Graphics(Gen11, 32EU) | Intel Iris Plus(Gen11、64EU) | AMD Vega 9,11 Graphics | Intel UHD Graphics 615(Gen9) |
メモリ | 4GBないしは8GB(LPDDR4x) | 8GBないしは16GB(LPDDR4x-3733MHz) | 8GB/16GB/32GB(DDR4-2400MHz) | 4GBないしは8GB |
ストレージ | 64GB(eMMC)/128GB/256GB(SSD) | 128GB/256GB/512GB/1TB(SSD) | 128GB/256GB/512GB(SSD) | 64GB(eMMC)/128GB(SSD) |
ディスプレイ | 12.45型(1,536×1,024ドット,アスペクト比3:2) | 13.5型(2,256×1,504ドット、アスペクト比3:2) | 15型(2,496×1,664ドット、アスペクト比3:2) | 10.5型(1,920×1,280、アスペクト比3:2) |
タッチ/ペン | タッチ/- | タッチ/Surface Pen | タッチ/Surface Pen | タッチ/Surface Pen |
カメラ(Windows Hello対応有無) | 720p HD | 720p HD(Hello対応) | 720p HD(Hello対応) | 1080p(500万画素、Hello対応、前面)/1080p(800万画素、背面) |
USB-A | 1 | 1 | 1 | - |
USB Type-C(USB 3.1 Gen1 or Gen2) | 1 | 1 | 1 | 1 |
カードリーダー | - | - | - | microSDXC |
オーディオ | 3.5mm×1 | 3.5mm×1 | 3.5mm×1 | 3.5mm×1 |
マイク | ファーフィードマイク(デュアルアレイ) | ファーフィードマイク(デュアルアレイ) | ファーフィードマイク(デュアルアレイ) | ファーフィードマイク(デュアルアレイ) |
その他ポート | Surface Connect | Surface Connect | Surface Connect | Surface Connect |
Wi-Fi | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) | Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac 2x2 MIMO) | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
WAN | - | - | - | あり(モデルによる) |
指紋認証 | 電源ボタンに内蔵 | - | - | - |
キーボード | フルサイズキーボード(1.3mmストローク) | フルサイズバックライドキーボード(1.3mmストローク) | フルサイズバックライドキーボード(1.3mmストローク) | オプション(タイプカバーキーボード) |
ポインティングデバイス | 高精度タッチパッド(115×76.66mm) | 高精度タッチパッド(115×76.66mm) | 高精度タッチパッド(115×76.66mm) | オプション(タイプカバーキーボード) |
ACアダプタ | 39W(急速充電対応:1時間で80%) | 60+5W(急速充電対応:1時間で80%) | 60+5W(急速充電対応:1時間で80%) | 24W |
バッテリ | 容量非公表/13時間駆動(公称) | 45Wh*実機調べ/11.5時間駆動(公称) | 45Wh*実機調べ/11.5時間駆動(公称) | 26.8W*実機調べ/10時間駆動(公称) |
カラー | アイスブルー/サンズストン/プラチナ | メタルブラック/サンズストーン/プラチナ/コバルトブルー | マットブラック/プラチナ | シルバー |
サイズ(横x縦x高さ) | 278.18×205.67×15.69mm | 308×223×14.51 mm | 339.5×244×14.69mm | 245×175×8.3mm |
重量 | 1.11kg | 1.31kg(メタルブラック/サンズストーン)/1.25kg(プラチナム/コバルトブルー) | 1.54kg | 544g(Wi-Fi)/553g(LTE)/キーボード( |
OS | Windows 10 Home(Sモード) | Windows 10 Home | Windows 10 Home | Windows 10 Home(Sモード) |
Surface Laptop GoのCPUはCore i5-1035G1で、開発コードネームIce Lakeで知られる10nmで製造される第10世代Coreプロセッサとなる。CPUのスペックとしては、4コア/8スレッドのCPUコア、6MBのLLC、ベースは1GHz、ターボ時最大3.6GHzという動作周波数となる。GPUに関してはGen 11と呼ばれる内蔵GPUだが、実行ユニット(EU)に関してはフルスペックの半分の32EUという設定になっている。
Surface Laptopの上位モデルとなる13.5型モデルでは、Core i7-1065G7/1035G7というGen 11 GPUのEUが64とフルスペック、15型に関してはRyzen 3580UというMicrosoft向けのカスタムSKUが採用されている。同じIntel CPUである13.5型と比較すると、GPUのEUが半分のスペックになっているのが大きな違いとなる。逆に言えば、CPUに関してはLLCと動作クロックの若干の違い程度で、性能が大きく変わるということはないと予想できる。
その一方でSurface Go 2と比べると差は大きい。Surface Go 2では第8世代Coreプロセッサと1世代前のCPUで、Core m3-8100Y、Pentium Gold-4425Yはいずれも2コア/4スレッドになっており、CPUの物理コアは2つとSurface Laptop GoのCore i5-1035G1の4コア/8スレッドに比べて半分のCPUコアしかない。
かつ、「Y」表記からも明らかなように、Core m3-8100Y、Pentium Gold-4425YはいずれもYシリーズのプロセッサで、熱設計的にもファンレスになっており、とくにACアダプタに接続してターボブーストが有効になったときの性能差は大きい。Surface Laptop Goは、4コアCPUでUシリーズになっているため、より高性能だといえる。
メモリは一般消費者向けモデルは4GBないしは8GBとなっており、企業向けモデルにだけ16GBのモデルが用意される。内蔵ストレージは64GBはeMMC接続で、128GBと256GBはSSDとなる。eMMCはスマートフォンなど向けにやや性能を落として省電力にしたインターフェイスになっており、転送速度などでSSDなどに比べて不利になる。従って性能重視のユーザーであれば128GB以上のモデルを検討したいところだ。
Surface Penには未対応ながら12.45型の1,536×1,024ドットの3:2比パネルを採用
ディスプレイはSurfaceシリーズの伝統になりつつあるアスペクト比3:2のPixelSenseディスプレイが採用。サイズは12.45型(スペック上は12.45型だが、マーケティング表記としては12.4型と記述すると説明している。本記事では12.45型で統一する)で、解像度は1,536×1,024ドットとなる。こうした解像度を採用したディスプレイはこれまでのノートパソコンでは採用例がないため、このSurface Laptop Goのために新しく設計されたパネルだと考えられる。
なお、10点マルチタッチには対応しているが、Surface Penには未対応となる。ディスプレイ側にMPP(Microsoft Pen Protocol)に対応したセンサーが入っていないため、ほかのSurfaceシリーズ用として販売されているオプションのペンを買っても利用することができない。
端子類は、Surface Connectのほか、USB Standard A(いわゆるUSB Type-A)が1つ、USB Type-Cが1つ、さらには3.5mmのオーディオジャックが用意されている。無線関連はWi-Fi 6とBluetooth 5.0に対応し、LTEなどのセルラーモデムには非対応。
前面カメラはSurface Laptopシリーズの上位モデルと同じ720p HDのカメラで、f値は2.0と明るめのレンズが特徴となっている。また、マイクはデュアルアレイ(2つのマイク素子)になっており、ファーフィールド(遠方界)に対応している。
Surface Laptop 3にはなかった特徴として、電源ボタンが指紋認証センサーになっていることが挙げられる。13.5型、15型のSurface Laptop 3では前面カメラを利用した顔認証には対応していたが指紋認証には対応していなかったため、マスクの装着が求められているような場所では一時的にマスクを外すか、PINでの認証に頼らなければならず、素早いログインが難しくなっていた。指紋センサーがあればそうしたシーンでも、指紋ですぐに認証が可能になる。
キーボードは1.3mmストロークのフルサイズキーボードで、Surface Laptop 3シリーズと同じサイズの高精度タッチパッドが搭載されている。
電源周りはバッテリ容量は非公表だが、公称バッテリ駆動時間では13時間とSurface Laptop 3に比べて伸びている。このため、おそらくバッテリ容量はSurface Laptop 3と同じ45Whである可能性が高いと言えるが、その点は実機での確認待ちとなる。
ACアダプタは39Wとなっており、Surface Laptop 3の60Wよりも少なくなっている。つまり、システムが必要とする電力が少ないということなので、(同じ容量だと仮定すれば)バッテリ駆動時間が伸びているのも納得だ。ただ、Surface Laptop Goにバンドルされる39WのACアダプタには追加のUSB Standard-A端子の充電ポートはない(他モデル用に販売されている60W+A端子用5WのACアダプタを使うことは可能)。
サイズは278.18×205.67×15.69mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.11kg。カラーバリエーションはアイスブルー/サンズストン/プラチナの3色展開で、Surface Laptop 3に用意されているアルカンターラ素材のパームレストを採用したモデルは用意されない。OSはWindows 10 HomeのSモードになっており、購入後にSモードを解除して利用することも可能だ。
【お詫びと訂正】初出時に、カメラが赤外線センサーつき、キーボードがバックライトつきとしておりましたが、いずれも非搭載です。お詫びして訂正させていただきます。
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October 01, 2020 at 08:00PM
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