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楽天モバイル、試験レベルから脱却なるか 弱点はエリアとiPhone(日経クロストレンド) - Yahoo!ニュース

 楽天モバイルが2020年4月8日、携帯電話事業者としての本格サービスを開始した。料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」は月額2980円でデータ通信が使い放題になるという安さが話題となった。一方でエリア整備が不十分であることも指摘されている。大手3社から顧客を奪い、ヒットを獲得できるのだろうか。

●大手3社の半額以下で使い放題を実現

 2019年10月に携帯電話事業への新規参入を果たしたものの、合計2万5000人の「無料サポータープログラム」会員に限定した無料サービスを提供するなど、その内容が試験的なものにとどまっていた楽天モバイル。2020年4月8日より本格的なサービスを開始した。

 その正式サービスに向けた料金プランとして発表されたのが「Rakuten UN-LIMIT」である。このプランの大きな特徴は、月額2980円で、楽天モバイルの回線内(楽天回線エリア)であればデータ通信が使い放題になること。専用アプリ「Rakuten Link」を使用すれば、音声通話やSMSも無料で利用できるという。

 楽天モバイルと同じ4Gでデータ通信が使い放題になる料金プランとしては、既にKDDIが「auデータMAXプラン Pro」を提供している(20年6月1日で新規受付終了)。だがその料金は値引きなしで月額7650円、さまざまな値引きを適用しても月額4480円はかかるし、その金額で利用できる期間も6カ月に限定されている。

 他の携帯大手2社の4G向け大容量プランの料金(割引なしの場合)を見ても、NTTドコモの「ギガホ」(キャンペーンにより60ギガバイトまで利用可能)が月額7150円、ソフトバンクの「メリハリプラン」(50ギガバイトまで利用可能、一部サービスの通信量はカウントせず)が、4Gのみの場合月額7480円、5Gではそれにプラス1000円を追加する仕組みとなっている。

 家族での契約や、固定回線とのセット契約など複雑な仕組みの割引を適用しなくても、月額2980円でデータ通信が使い放題となるRakuten UN-LIMITが、いかに安いか理解できるだろう。

 しかも楽天モバイルは、Rakuten UN-LIMITを契約した300万人に対し、1年間通信料金を無料にする施策も実施するとしている。実質的にはほとんどの人が、1年間楽天モバイルのサービスを無料で利用できるといっていい。そのため発表直後から契約者がWebサイトに殺到した。

 そもそも楽天が携帯電話事業へ参入する背景には、新しい事業者を参入させることで料金競争を加速したいという、政府の意向も少なからずある。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社による寡占状態が続き、携帯電話料金の高止まりが続いているからだ。だからこそ、Rakuten UN-LIMITは、そうした政府の期待にも応える非常に安価な料金プランを打ち出した。実際、消費者からしてみれば非常にメリットが大きいように見える。

●エリアの制限に大きな落とし穴

 しかしその内容を見ていくと、「2980円でデータ通信し放題」を額面通りに受け取るわけにはいかないというのも正直な所である。なぜなら現状、楽天回線エリアは非常に狭いのだ。

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May 11, 2020 at 04:00AM
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