楽天モバイルの、本サービスがついに始まった。筆者は2月の無料サポータープログラム第2弾から同社回線を使っていたため、4月8日にプラン変更を済ませた。
プラン変更が適用されるのは翌月の1日から。4月中は、無料サポーター回線として、100GBプランが適用されるようだ。無料サポーター回線は、auローミングのエリアも100GBまで利用可能と、5GBまでに制限されているUN-LIMITプランよりも条件はいい。
一方で、3月30日で無料データチャージが終了してしまったため、容量は100GB以上に増やすことができない。テレワークのための通信など、楽天モバイルの自社回線を固定の代替として使おうとしていた人は、なるべく早くUN-LIMITへプランを変更するようにしたい。ただし、楽天モバイルの自社回線も、まったく制限がないわけではないようだ。ネットでは、10GBで速度が低下したとの声もあがっていた。
楽天モバイルによると、帯域制限は一律ではなく、ネットワークの状況によって変わるとのことだったが、使い放題をうたっている以上、もう少し基準は明確化してほしい。2019年12月に改訂された「帯域制御の運用基準に関するガイドライン」でも、帯域制限をかける容量やアプリなどの条件に加え、制限後の速度などもきちんと明示するよう求められている。現状の規約では、説明が不足しているというのが筆者の考えだ。
もう一点注意したいのが、対応端末。楽天モバイル回線対応が正式にうたわれている端末の種類は、現状、非常に少ない。MNOとしての楽天モバイル自身が販売する端末以外は、ほとんどが公式サポート外。サポート外の端末すべてがつながらないわけではないが、何かトラブルがあっても自己責任になってしまう。また、iPhoneに関しては、そもそもRCSの「Rakuten Link」が提供されていないため、無料通話の対象外になる点も要注意だ。
こうした点を押さえたうえで、手持ちの端末複数に楽天モバイルのSIMカードを挿してみた。まずは、楽天モバイルで購入したOPPOの「OPPO A5 2020」だが、これは当然ながらクリア。データ通信もスムーズにできるし、Rakuten Linkも利用できる。
次は、ドコモ版の「Galaxy Note10+ SC-01M」。こちらはSIMロック解除済みだが、すぐに楽天モバイルの電波をキャッチした。設定画面を見てみたところ、APNも自動でセットされていた。Galaxy Note10+は、楽天モバイルでも取り扱いがあるため、ソフトウェアの一部が共通化しているのかもしれない。
ただし、ドコモ版Galaxy Note10+に関しては、楽天モバイルがローミングで利用するauの800MHz帯(Band 18/26)には非対応。そのため、auローミングのエリアでは圏外になることが想定される。緊急事態宣言が出てからは自宅にこもって仕事しているため、現状ではローミングに切り替わるエリアまで試しに行けていないが、ドコモ端末はauの800MHz帯に非対応なものが多いため、端末を使いまわそうとしている人は、注意が必要になる。
お次はSIMフリー版の「iPhone 11」だが、こちらはSIMカードを挿しただけでは、アンテナマークが立たなかった。そこで「設定」アプリを開き、「モバイル通信」で楽天モバイルのSIMカードを選択したあと、「音声通話とデータ」でVoLTEをオンにした。標準では、ここがオフになっていたため、接続ができなかったようだ。VoLTEをオンにしたあとは、APNなどの設定をする必要なく、端末のピクトにLTEアイコンが表示された。
ただし、APN未設定のままだと、「インターネット共有」のボタンが表示されない。これを回避するには、上記画面の「モバイルデータ通信ネットワーク」でAPNに「 rakuten.jp 」を入力する必要があった。APN設定後はインターネット共有のボタンが表示され、iPhone 11経由で他の端末がネット接続できたことも確認している。もっともiPhoneの場合、先に述べたように、Rakuten Linkには非対応。通話料やSMSなどが有料になってしまう点には注意が必要だ。
同じiOS端末として、11インチの「iPad Pro」(2018年モデル)にも楽天モバイルのSIMカードを挿してみたが、こちらは特に設定を変更する必要なく、すぐにLTEに接続できた。ただし、テザリングをオンにするには、iPhoneと同様、APNを入力する必要がある。おそらく、iPadはデータ通信端末でVoLTEの設定がないため、iPhoneよりスムーズにつながったのかもしれない。
意外といろいろな端末が普通につながった楽天モバイルだが、筆者が試したのは、基本的にここ1年、2年の間に発売されたものが中心で、古い端末での検証は行っていない。
auや楽天のVoLTEに対応していない端末については、まったく使えない可能性もあるので、注意が必要だ。ただ、SIMカードのみで契約でき、SIMフリースマートフォンも受け入れるというスタンスを取るのであれば、もう少し端末の受け入れ状況を開示すべきではないか。MVNOの多くがそうしているような対応表は、サービスインに合わせて出してほしかった。
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April 14, 2020 at 04:00AM
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