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新型コロナで検討、テレワークに最適なモバイル回線はどれか(石野純也) - Engadget 日本版

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ついに政府が緊急事態宣言を発動しました。対象となるのは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県です。

これまでも、東京都などでは不要不急の外出自粛が要請されており、各企業のテレワークが徐々に進んでいましたが、緊急事態宣言以降はその動きがさらに加速するでしょう。自宅で作業というと、フリーランスの我々には慣れた話ではありますが、そうでない人も多いはずです。

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▲テレワークにはモバイル回線も活躍する。写真は筆者宅でのドコモ回線の速度

テレワークなら当然、固定回線を使うのが常識と思われるかもしれませんが、固定回線と言えども万全ではありません。テレワークが急増した結果として、家庭での総トラフィックが増しているからです。

例えば、固定回線事業者でもあるIIJは、3月13日にテレワークがトラフィックに与えた影響として、ダウンロードで15%程度増加したと明かしています。緊急事態宣言に伴い、テレワークや遠隔授業が増えれば、このトラフィックがさらに上がることが予想されます。

総トラフィックが増えるのと同時に厄介なのが、マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいる場合。特に古いマンションの場合、光回線が通っているのはマンションの共用部分までで、各戸には電話回線を使って回線を引く、VDSLと呼ばれる技術が採用されています。

既存の電話回線の設備をそのまま使えるため、各戸に光回線を配線しなくて済むのがメリットですが、そのぶん、速度の上限が100Mbpsに抑えられます。

実は、このVDSLを使う契約者は意外と多く、NTT東日本が約1年前に公開した契約者数の内訳を見ると、100MbpsのVDSLだけで、約220万の回線数があることが分かります。数にすると、光配線を使う1Gbpsの147万より多いわけで、まぁ、そうだろうなぁという数字です。

かく言う筆者も、自宅はVDSL方式で100Mbpsが上限。以前は80〜90Mbpsとほぼ理論値どおりの数値が出ていましたが、3月以降、テレワーク組がマンションに増えたのか、かなり数値が悪化しています。そんな人のサブ回線としてオススメなのが、モバイルです。

Telework Network▲NTT東西の光回線の内訳。共同住宅はもちろん、それ以外でも100Mbpsの回線がかなり多いことが分かる

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▲テレワークが増えたためか、30Mbpsを下回ることも増えている

普段持ち運ぶスマホの回線を、テザリングでテレワークに使えれば一石二鳥。とは言え、光回線とは違い、モバイルではデータ容量無制限はまだそこまで一般的ではありません。

現状、MNOでテザリングを含めて使い放題をうたっているのは、ドコモの「5Gギガホ」か、楽天モバイルの「UN-LIMIT」の2択。auはテザリングに上限があり、ソフトバンクのスマホ向けプランには無制限プランが用意されていません。

料金的にオススメなのは楽天モバイルです。4月8日にスタートしたUN-LIMITプランであれば、料金は2980円で済みます。キャンペーンで1年間無料のため、新型コロナウイルス感染症が収束するまでのつなぎとして使うのにもピッタリです。

筆者の自宅では、安定して50〜70Mbps程度の速度が出ているため、混雑した固定回線より速いことになります。

Telework Network▲エリア限定ながら、料金の安さと使い放題は魅力

ただし、現状で無制限なのは楽天モバイルの自社回線エリアのみ。東京でも23区以外はauのローミングになります。4月8日には、この上限を2GBから5GBに増量し、なおかつ低速になったあとも1Mbpsに速度を上げることが発表されましたが、テレワーク用の回線にするには力不足です。

また、上記の速度はあくまで、無料サポータープログラムでユーザー数が2万5000人程度だったときの話です。UN-LIMITプランが始まれば、誰もが申し込めるようになるため、必然的に速度は落ちていくはずです。

モバイル回線の場合、同じ基地局を共有するユーザーが増えると、そのぶん速度が低下してしまいます。楽天モバイルは、現状だとLTEのBand 3が20MHz幅ぶんしかないため、大手3キャリアよりも帯域幅が圧倒的に少ないのは不安要素と言えるでしょう。

実際、楽天モバイルのUN-LIMIT開始後、1日10GB使ったあとに帯域制御がかかり、速度が1Mbpsまで低下したとの声がTwitterにあがっていました。広報部に確認したところ、「一律ではないが、ネットワークの混雑状況に応じて、制限をかけることはある」とのこと。仮に現状の閾値が10GBだとすると、大容量のファイルをダウンロードしたりするのは、避けておいた方がいいかもしれません。

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▲筆者宅では60Mbps前後の速度が出る

逆に、端末を5G対応のスマホに変える予算があるのであれば、ドコモの5Gギガホを選択するのもありです。5Gギガホはキャンペーンながら、終了期間未定で無制限にデータ通信を利用できます。

料金は7650円とやや高めですが、3親等以内にドコモユーザーが2人いれば「みんなドコモ割」で1000円、dカードで料金を支払っていれば「dカードお支払割」で170円の割引を受けることができ、金額が6480円まで下がります。また、6カ月間は、「5Gギガホ割」でさらに1000円の割引も受けられます。

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▲ドコモの5Gギガホも、キャンペーンながら容量は無制限

それでも5480円で、楽天モバイルのUN-LIMITよりは高めですが、全国、ほぼどこでも使えるのはエリアが広いドコモの強み。5Gのエリアはまだまだスポット状態ですが、データ容量無制限は4Gエリアでも対象になるため、恩恵を受けられる人は多いでしょう。

速度もドコモの魅力で、5Gでは最大3.4Gbps、4Gでは最大1.7Gbpsと高速です。さすがにユーザー数が7000万を超えるため、理論値どおりに出ることはほぼありませんが、速い場所はとにかく速い。筆者の自宅では200〜300Mbps程度の速度が出るため、正直、固定回線代わりにルーターに挿しっぱなしにしておきたいと思ったほどでした。これで、この金額なら、費用対効果は非常に高いと言えます。

また、ドコモの広報部によると、5Gギガホの無制限キャンペーンでは、帯域の制御は一切行っていないとのこと。サーバーの回線として利用するなど、機械的に膨大なデータ通信は例外的に制御する可能性があるとしつつも、人間が利用する場合については、制限なしと考えてよさそうです。あくまでベストエフォートではあるものの、帯域制御が理由で、突然、速度が落ちてしまうおそれがないため、テレワークにも安心して利用できます。

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▲4Gながら、キャリアアグリゲーションやMIMOなどを組み合わせることで超高速を実現。筆者宅では300Mbpsを超えることもあり、安定している

ほかにも、最近では容量無制限をうたうWiFiルーターが複数登場しています。ただし、事業者によって、サービスは玉石混合といった印象も受けます。

こうした容量無制限のWi-Fiルーターは、「クラウドSIM」という仕組みを採用していますが、どちらかというと重要なのが、その先の回線です。

クラウドSIMは、「SIMバンク」と呼ばれるSIMカードを何枚も挿せるサーバーから、通信に必要な情報を端末側にダウンロードする仕組みで、eSIMの変種とも言えるもの。標準化されたeSIMとは異なり、クラウドSIMはuCloudlinkという会社が持つ技術になります。

回線は、各事業者がどのようなSIMカードを調達してSIMバンクに挿すかによります。ここが少々クセモノで、無制限を提供しようとしたものの、途中でSIMカードを調達できなくなるなどの理由で、サービスを継続できなくなったり、速度が極端に低下したりする事業者が出てきています。

例えば、X-mobile社が提供する「限界突破WiFi」は、プランを変更して1日5GBまでの制限がかかったほか、グッド・ラック社の「どんなときもWiFi」も、4月3日にサービスの新規受付を停止しています。

Telework Network▲無制限をうたうWiFiルーターサービスの一部では、新規申し込みを停止したり、サービス内容を変更したりといったトラブルが起こっている

一方で、同じクラウドSIMで同型の端末を使う事業者でも、スマートモバイルコミュニケーションズ社の「THE WiFi」などは、現時点でもサービスを提供できています。これはおそらく、SIMバンクに挿すSIMカードの種類が異なるためとみられます。

実際、貸与されていたTHE WiFiに接続してみたところ、同じ場所でのソフトバンク回線より速度はやや遅いものの、以下のとおり、動画閲覧にも十分な速度が出ていました。

Telework Network▲THE WiFiも同じクラウドSIMの技術を使っているが、サービスは提供中

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▲純ソフトバンク回線よりは若干遅いが、十分なスピードが出ていた

4Gで高速通信のまま無制限を維持するのはMNOにとっても難易度が高いため、その再販になるMVNOのハードルはさらに上がるはずです。

とは言え、ユーザーには裏側までなかなか分からないため、あとはネットでの評判に耳を傾けたり、運営元を信用するしかありませんが、こうしたWiFiルーターを選ぶ際には、慎重に情報を集める必要がありそうです。

ざっとですが、固定回線の代替やピンチヒッターになりそうなモバイル回線をここに集めてみました。

筆者の場合、もともとスマホではメインにドコモ回線を使っていたため、これだけの速度が出るのであれば、5Gギガホにプラン変更してテレワーク用に使う手はありそうです。

一方で、自宅は楽天モバイルのエリア内になるため、料金重視ならこちらもあり。光回線の速度が十分でないというときや、そもそも自宅に光回線がないという人は、こうした無制限プランを検討してみてもいいでしょう。

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April 09, 2020 at 06:09AM
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