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楽天は8日、第4のキャリアとして自社回線を使った携帯電話サービスをスタートさせた
「『Rakuten UN-LIMIT』を2.0へとバージョンアップする」。楽天モバイルが自社回線による携帯電話サービスを始めた8日の朝、三木谷浩史会長兼最高経営責任者がツイッター上でサービス向上策を発表した。
始まったばかりの同社のサービスでは、自社回線が整備されているのは東名阪の一部エリアだけ。それ以外ではKDDIのau回線に接続される。自社回線を使い続ける場合にはどれだけ使っても容量は無制限だが、au回線はデータ容量の上限があり、2GBだった。三木谷氏はツイートで、それを5GBに引き上げた。多くの利用者が気にせず使える容量で、弱点がひとつ解消された。
楽天にとっては費用が膨らむことになる。同社はKDDIに対し、回線利用料を1GB当たり500円程度払う取り決めだ。今回、2GBから5GBに引き上げたため、1人あたり最大で月1500円分の費用が増える。楽天は最終的に、最大で月2500円をKDDIに払う。モバイル事業で収益を上げるのは極めて困難だ。
収益を当面確保しにくいこと自体はそれほど気にしていないのだろう。三木谷氏は携帯事業について「単独のビジネスではない」と述べている。同社には以前から、楽天スーパーポイントを媒介としたグループ経済圏で収益を生み出していくという戦略がある。
ただ気になるのは、そうした戦略がある一方で、楽天の携帯サービス加入者へのポイントを減らすというルール変更が4月1日から行われたことだ。
楽天市場には、旅行予約サイト「楽天トラベル」やクレジットカード「楽天カード」など、グループのサービスを利用すればするほど、ポイントの付与率が上がる「楽天スーパーポイントアッププログラム」という制度がある。楽天市場の買い物で付与されるポイントは通常1%。楽天トラベルも使えば1%分が追加され2%に、楽天カードで支払えばさらに2%上乗せの4%になるといった具合だ。
楽天は2014年から仮想移動体通信事業者(MVNO)として携帯電話サービスを提供しており、加入者には楽天市場での買い物ポイントを2%上乗せしてきた。これを一律1%に半減した。今までのMVNOサービスの加入者も、自社回線によるサービスの加入者も同じ扱いだ。
楽天の熱心な利用者からは肩透かしを食らったという声が上がった。ネットでは、相乗効果の弱さを感じて「携帯の乗り換えを考えていたけど、やめようかな」という声がある。出店者に聞いてみると「楽天モバイルは期待3割、不安7割といったところ」。ポイントが減ることも含め、携帯加入者が楽天で買い物をするという送客力は限定的とみているようだ。
三木谷氏は、20年1月の「楽天新春カンファレンス2020」で出店者を前に「楽天モバイルに流れ込んでくる何百万人、将来的には何千万人という会員が、楽天市場に流れ込んでくる」と発言した。ポイントルールの改正については、経済圏づくりの戦略とちぐはぐに見える。楽天ファンも、これからに期待する潜在的な顧客も、次の一手を待っているのではないだろうか。
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April 08, 2020 at 03:09PM
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