激安料金プランの予想
昨年12月頃、本来は非公開のはずの楽天モバイルのテストサイトのページが外部に流出し、Twitterなどで話題になった。本来は10月1日に開始する新料金プランだとされたが、楽天モバイル広報は、誤って流出したテストサイトの数字は「全くのダミー」という。MVNOの楽天モバイルの料金プランはたびたび変更しているので、加入時期やプランによって異なり、わかりにくい。契約者はメンバーズステーションで確認しよう。いま、ドコモ回線の「スーパーホーダイプラン」を新規契約した場合、「楽天会員割」適用で、楽天会員は、当初1年間、月間データ容量上限2GBのデータ通信を月額1480円で利用できる。さらに、ダイヤモンド会員なら、500円引きの月額980円から利用できる。
楽天会員はダイヤモンド/プラチナ/ゴールド/シルバー/ランクなしの5ランクに分かれ、最上位のダイヤモンド会員の条件は、過去6カ月間で「獲得ポイント数4000ポイント以上」「獲得ポイント回数30回以上」「楽天カード保有」の三つ。楽天モバイル契約者は、SPUによって「楽天市場」の買い物のポイント付与倍率が「+2倍」となるため、日常的に楽天市場で買い物するだけで一度上がったランクはキープしやすいと思われる。
この現状の料金体系を踏襲するなら、価格破壊のインパクトを出すため、最低料金プランの月間データ容量上限を「5倍」に増量しつつ、料金自体は据え置くと予想する。「楽天ダイヤモンド会員は月額980円から、楽天会員は月額1480円から、楽天非会員・2年目以降は月額2980円から」となれば、ワイモバイルのイチオシプラン「スマホベーシックプラン Mプラン」(契約翌月から7か月目まで2980円、以降3680円)と比べて、楽天会員ならかなり割安だ。
また楽天モバイルは、6月から5Gサービスも提供開始予定で、4G/5G共通の料金プランになると予想する。
3キャリア追随プランの予想
大手3キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)は、ケータイ全盛期から続く「家族間通話無料」をウリに、家族3人以上で契約するファミリーを優遇する施策を進めている。auの「家族割プラス」は同居家族のみという制約があるものの(auスマートバリューに加入し、50歳以上の場合は別居でも割引対象)、ドコモやソフトバンクのは指定の条件を満たしていれば別居の家族、親戚でも人数に応じて家族割引が適用される。MVNOの楽天モバイルには、家族間通話無料サービスはなく、第4のキャリアとして他社と同じ土俵で戦うために、家族間通話無料、楽天の光回線サービス「楽天ひかり」とのセット割引(光セット割)、楽天の電気サービス「楽天でんき」とのセット割引を追加する可能性は高いと予想する。
もし、この予想が当たった場合、MVNOからMNOサービス移行に伴い、月額料金がMVNO水準から大手3キャリアと同等の水準に値上げとなるため、現行のMVNOの楽天モバイル契約者の多くは反発すると思われるが、新規契約する一般層には「わかりやすい」「家族と無料で通話できて、楽天のポイントもたまってうれしい」と、むしろ好意的に受け入れられるのではないか。
すでに、無料サポータープログラム参加者限定で、Androidスマートフォン向けに、電話・メッセージ・SMSを統合した独自アプリ「楽天Link(ベータ版)」をリリースしており、楽天Link間の通話・メッセージ・SMSに限り全て無料となれば、メッセージアプリ「LINE」などから乗り換える家族、企業も出るかもしれない。
はたして楽天モバイルは、どちらの方向性を取るのか。楽天ID・楽天スーパーポイントを核とした楽天経済圏のさらなる拡大を意図するなら後者だろう。いずれにしても3月3日の発表を楽しみにしたい。(BCN・嵯峨野 芙美)
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February 26, 2020 at 01:28PM
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