【ロンドン=篠崎健太】英議会下院は19日、英政府が欧州連合(EU)と合意した新たなEU離脱案の審議に入った。採決で賛成多数を得られれば10月末の円滑な離脱が固まり、欧州史は大きな転換点を迎える。超党派議員からは採決を保留する修正動議が出され、先に採決される見通し。19日中に英のEU離脱が決まるかどうか不透明感も出ている。
離脱案が可決されれば英国は10月末にEUを離脱する。2020年末までは現行の英・EU関係を保つ「移行期間」に入り、産業界の先行き不安はひとまず和らぐ。93年発足以来初めて、EUから加盟国が抜けることになる。
一方、否決されれば英政府は20年1月末までの離脱延期をEUに申請しなければならない。19日中に承認されない場合、延期を求めることが9月に成立した法律で義務付けられているためだ。
離脱案の審議入りに先立ち、超党派議員から「必要な関連法が成立するまで採決を留保する」との修正動議が出され、先に採決されることが決まった。修正動議が可決されれば政府は19日の離脱案採決を見送る方針で、EUに短期の離脱延期を要請することになる。
下院の定数は650で、投票しない議長団などを除く実質過半数は320となっている。与党・保守党の議席数は287にとどまる。
英国のEU離脱は16年6月の国民投票で賛成多数を得た。メイ前首相は18年11月にEUと離脱案をまとめたが、英議会は3度にわたり否決。離脱は当初の19年3月29日から延期された。混乱の責任を取って辞任したメイ氏から7月に首相を引き継いだジョンソン氏は「合意なき離脱」も辞さない構えをみせ、離脱案の修正に取り組んできた。
2019-10-19 08:18:49Z
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51192600Z11C19A0MM8000/
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